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酔って泣き言

例えば韓国に行くと、

空港の空気を吸い込み、ターンテーブルからトランクをピックアップしたあたりで

体の中の小さなスイッチが入った気がします。

空港職員、出迎えの人々、土産を下げた旅行者…

合間を行き交うハングルを、全身で聞き取ろうとするモードになります。

地下鉄でむずがる子どもをあやすオモニもハングル

私の肩によりかかりながら眠るアジョシの寝言もハングル

携帯でしゃべりまくる学生たちも、もちろんハングル

この空気に身を浸せば、いつか私も

話したいことをこの国の言葉で話せるのではないかという錯覚を覚えます。

 

日本で。

週一回のハングル教室の日は仕事の終わり時間にひやひやし、

教室にたどり着いて、初めて「韓国語」教科書を開きだす。

韓国人の先生の一言一言を必死に聞こうとするけれど

仕事先であった不愉快な出来事

自分の力不足を思い知らされる展開

家で待つ家族

なかなか「離陸」できないうちに90分の授業は終わり

ヨロカジ、ビールで流し込み。

なんとなく、ハングルした気分だけを味わいます。

 

誤解を恐れずにいえば、世界のあまたある国で

韓国だけが自分にとって特別だという確固たる理由はありません。

大昔は、イタリア人になる計画だってあったわけだし。

語学ならば、先に英語だろうといってくれる人もあり、それも事実だろうと思います。

何も考えず、それ留学、と飛び込める年齢ならば

どこの国だっていいのかもしれない。

それくらい、私は、今の私が、いやなだけのかもしれない。

 

夜があければ、また新しい一日が始まります。

やれやれ。もっと強くならなければ…。

 

 

 


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